いと。
自室に戻り、ベッドにドサリと倒れこみ目を閉じる。
………焦っていた。
時間ばかりが過ぎ、愛しい気持ちは募り続けるのに覚えている彼女の温もりや空気がどんどん薄れていく。
散々探した。愛の父親の力も借り、いろんな街へ行った。
『いと』とは呼ばせていないだろうと思い、彼女がずっと周囲に呼ばせていた
『アイ』の名前でも探した。
「ホントに…こんなにキレイに自分を消せるもんか?………なぁ、愛。」
オレの言葉は、届くことはない。