いと。
9章 愛しいひとたち
クリスマスを桐子さんと過ごし、年末年始の準備に入った。
「めぐちゃん、この伝票もお願いするわね。」
「はい。わかりました。」
最初は仲居さんとして入った私だけど、途中から体調を考慮して事務にまわしてもらった。
…というか、桐子さんが気を利かせてそうしてくれた。
………この身体はポンコツだから。今はそうしないと、乗り越えられないから。
『身体が第一。それだけは絶対に守りなさい』
そう、強く言われたのを覚えている。