いと。

「いらっしゃいませ。」

にこりと穏やかに微笑む女将はどことなくLINKの店長に似ているような気がした。

「お世話になります。」

「ようこそいらっしゃいました高橋さま。こちらへどうぞ。」

愛の父親が使った偽名を名乗り和室の静かな部屋に通され、外を眺める。

牡丹雪は降り続き、いつの間にか一面を白い世界に変えていた。


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