いと。
とても、とっても幸せな時間だった。
父が私のために作ってくれた料理は美味しくて、これまで口にしたどれより幸せな味がした。
私も作りたいと言ったら、
『今度一緒に作ろう。愛の料理も食べてみたい。』
そう笑った。
祝福され、愛され、幸せすぎて………
涙が零れた。
それを優しくハンカチでぬぐってくれる曜の薬指には私と同じ指輪が同じように光っていて、その光はまるで私が感じている幸せを形にしたように思えた。
ずっとずっと、手にしたかった幸せの象徴に見えた。
「…愛、泣くなよ。
これからもっと幸せになるんだろ?」
お腹に添えられた掌は大きくて温かくて、耳に届く声は『幸せ』を揺るぎなく約束してくれる強さがあった。
その時。
「…っ!?」