いと。

「愛……愛。起きな。仕事だろ?」

「……し…ごと………?」

「そ。今日は何時出勤なの?一回帰って着替えるんだろ?」

……………着替え?

………帰る?

「………………そうだ!帰らなきゃ!?」

一瞬でがばりと起き上がる。

「…………ふっ。大丈夫。まだ7時だよ。

朝ごはんは?」

焦って起きた私を見て薫さんはとっても優しく、とっても幸せそうに微笑む。

「……………少し。」

「だろうね。スープあるよ。シャワー浴びておいで。」

そう言うと、新しいふかふかのタオルを肩からかけてくれた。

そして私はバスルームでやっと、体のあちこちに紅い印がついていたコトを知った。


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