いと。

「行ってきます。いい子にしてろよ。」

私にサラリとキスをして、お腹をひと撫でして朝の玄関を後にする曜に、

「いってらっしゃい、曜。」

私は笑顔を向けて見送る。

たわいもない日常。

でもそれが、私にとっては何より愛しくて大切な日常だ。

「あ、お父さんにレシピ聞きに行こうかな。」

曜が食べたいと言っていたほうれん草のポタージュ。きっと父ならレシピを知っているだろう。

「さっさと掃除して行こうかな。」


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