いと。

「いつもながら、完璧に綺麗だなぁ。」

急な来訪だったというのに、どこもかしこも隙がなく整っている。

ゴミひとつない部屋、キッチン棚の食器は丁寧にに並べられ、寝室のベッドもシワひとつない。


……ホント、薫らしい。


シャワーを借り、お泊まり用に置いてある私の部屋着に着替える。

ソファにもたれ、ごく静かに時を刻むLINKで一緒に選んで買った時計の音を聞いてると一気に睡魔に襲われて…


落ちて行った先は、悪夢だった。


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