ベターな気持ち。〜君との約束〜
答えは見つかることも無く、時は流れて行った。
だけど、男の子に私なりのあだ名を付けてみた。
"ベンチ君"
いつもベンチに座っている時しか、見たことの無い私は、このあだ名が精一杯。
でも、自分にしては良く出来た。なんて思ったりもした。
「さと!」
私のあだ名が、呼ばれた方に振り向く。
本当の名前は聡美(サトミ)。だけど、本名で呼ばれるより"さと"って言われる方が、なんだか嬉しいんだ。
それを分かってか、ほとんどの人は"さと"ってよんでくれる。
「奈美どうした?」
「さと!明日転校生来るらしいよ♪」
「転校生?」
うちの学校は、転校生はそうそう珍しくない。
なのに、何で奈美がそんなに興奮しているのかが、理解出来なかった。
「そう!なんか凄い美形ならしいよ!!なんか、転校生うちのクラスに来るんだって♪」
ってことは…私のクラス?
「へぇ。じゃあ、明日楽しみだね。」
「うん♪」
毎回、こんなうわさ…流れていなかったっけ?
かっこいいだの、美形だの、帰国子女だの…当たった試しが無かった気がする。