ベターな気持ち。〜君との約束〜
でも今回は違った。
そのいつものうわさは、当たりだったんだ。
翌日、いつもの様に遠回りしながら、ベンチを見てみると
ベンチ君の姿が無かった。
ガクンとテンションが下がるけど、今に始まったことじゃない。
だけど、ベンチ君を見ない日は1日中どんよりだ。
それだけ好きってことなんだろうけどね。
学校に着くと、転校生の話で持ちきりな女の子達。
好きだなぁ。うわさ。
そんなことを思いながら、教室に向かった。
「さと!本当に美形らしいんだよ!」
「また言ってるの?奈美は面食いだね。」
「なに言ってんの?女は皆面食いだよ!!」
…少なくとも私は面食いではありません。
少しは面食いかもしれないけど…
「はいはい。分かりました。」
「あっ!さてはベンチ君に会えなかったんでしょ?」
「―うっ…。なんでわかるの?」
「さとが冷たくて、不機嫌なときって、これしか無いから。」
私ってそんなに落ち込んでるの?
落ち込んでるは、落ち込んでるけど、そんな態度にまで、出ているとは思わなかった。