ベターな気持ち。〜君との約束〜
「じゃあ、市ノ瀬はあのボーっとしているヤツの隣な。」
ゴリセンが言ったその"ボーっとしているヤツ"が気になり、その子を見る為にまた教卓に目を向けた。
……?
気のせいかな?ゴリセンの指が私に向いている気がするんだけど。
首をかしげると、ゴリセンは呆れたように
「さとの隣だ。」
と言った。
私の隣!?
確かに私の隣は、誰も居ないけど、いくらなんでも…
「市ノ瀬、分からん事はさとに聞いてくれ。」
はっ!?待ってよ。
こんな初対面の美形転校生君の、子守りをしろと?
ポカーンと口を開けていた私に
「お前カッパかよ。」
フッてバカにした様に笑って、転校生君は席についた。
むっむっムカつくぅ〜!!
性格悪っ。この性悪美形転校生君め!
キリっとした目で転校生君を見ると、済ました顔で教卓の方を見ている。
それが余計にムカついた。
なんか負けてる気がしたから。