ベターな気持ち。〜君との約束〜


「じゃあ、市ノ瀬はあのボーっとしているヤツの隣な。」

ゴリセンが言ったその"ボーっとしているヤツ"が気になり、その子を見る為にまた教卓に目を向けた。




……?

気のせいかな?ゴリセンの指が私に向いている気がするんだけど。




首をかしげると、ゴリセンは呆れたように

「さとの隣だ。」

と言った。




私の隣!?

確かに私の隣は、誰も居ないけど、いくらなんでも…




「市ノ瀬、分からん事はさとに聞いてくれ。」

はっ!?待ってよ。

こんな初対面の美形転校生君の、子守りをしろと?




ポカーンと口を開けていた私に

「お前カッパかよ。」

フッてバカにした様に笑って、転校生君は席についた。




むっむっムカつくぅ〜!!

性格悪っ。この性悪美形転校生君め!

キリっとした目で転校生君を見ると、済ました顔で教卓の方を見ている。

それが余計にムカついた。

なんか負けてる気がしたから。



< 16 / 72 >

この作品をシェア

pagetop