ベターな気持ち。〜君との約束〜

「あんたさ、名前なんていうんだっけ?」

「佐藤聡美(サトウサトミ)。あんたは?」

「さとさと続きじゃん。おもれぇ。」

…これが嫌な理由。"聡美"って呼ばれるより"さと"って言われた方が、なんかしっくりくるから。




だけど、今この場で、これを突っ込まれるとは…

あぁー!!

やっぱり気に入らない!




「あっあんたは、名前何て言うのよ!?」

「あれ?あんた人の名前聞いて無かったんだ。酷いなぁ。」

はっ!?
名前教えたんだから

「あんたじゃ無くて…名前ちゃんとさっき教えたでしょ?」

「じゃぁ、何て呼んで欲しい?」

…こいつは、どこまで私を腹立たせるのだろうか…むっムカつくぅ。




「それより、あんたの名前教えなさいよ。」

本当は知ってるけど、やられてるばっかしじゃ…嫌だもん。

確か…市ノ瀬…市ノ瀬なんだっけ?

「市ノ瀬」

いや…市ノ瀬は分かってるってば。




「私も下の名前言ったんだから、あんたも言ってよ。」

「お前だって、人のこと"あんた"って言ってんじゃん。」

あんたの次は、お前かよ。

「下の名前教えて貰ってないもん。」



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