ベターな気持ち。〜君との約束〜

そんな私を少し置いてきぼりにして、前を歩く潤。

歩きながら少し鼻歌を歌って…空を見上げてる。




どうしてこんな呑気者に私は、ドキドキしちゃうんだろ。

今でも、ドキドキしちゃってる。

最近の私はなんだか変だ。




「おい。」

「ん?」

「並木通りってここだろ?」

「あっうん。」

もう着いたんだ。ベンチ君が居る場所に。

いつもは、S駅から並木通りの間…"まだかな、まだかな"って思って、時間が長く感じた。

だけど、今日はそんなんじゃなくて、あっという間に着いてしまって…時間が早く感じられた。




たっ多分。今日は一人で歩いてないからだ。

きっと潤が居るせいで、早く感じたんだ。

そうだよ。うん。




「あっ!隼人?」

ん?

「おっ!潤じゃん。久しぶり。」

潤が影になって見えないけど、私とは違う誰かと話している。

「久しぶり。こんなとこで何やってんの?」

「人待ってる。潤は?」

「俺?こいつの付き添い。」

付き添いって…私が潤に付き添ってやってんでしょ!

「へぇ、どれ?」

そう潤の話し相手が言って、影になっている人がひょっこり顔を出した。


えっ…

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