ベターな気持ち。〜君との約束〜

あの時の私はまだ幼くて、先輩を信じることしか出来なかったんだと思う。

そんな先輩に裏切られたって思いたくなくて、その日は走って家に帰った。




次の日、いつもは休み時間は、何回か教室に来てくれた先輩は、放課後まで来てくれなかった。

私が昨日後をつけた事を知られたんじゃないかって、ビクビクしてたけど、放課後先輩が教室に来てくれた時は…

凄い嬉しかった。昨日のことなんて忘れちゃうくらい。嬉しかった。




でも、来てくれた先輩の顔はいつもの優しい顔じゃなくて、困ったような、めんどくさいようなそんな顔してた。

そんな顔を見て、この恋が終わることを予感したんだ。だから、怖くて先輩の話しを聞くことが出来なかった。

教室に私と先輩しか居なくてなって、私はやっとの思いで先輩の声を…話しを聞くようにした。




先輩から手渡された…キーホルダー。これ、私がお土産で先輩と色違いで買ったモノ。ピンクは私。青は先輩。

先輩の手の中には、仲良く寄り添ったピンクと青のイルカのぬいぐるみのキーホルダーがあった。

あっ…昨日落として来ちゃったんだ。


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