常務サマ。この恋、業務違反です
「っ……」
先に目を逸らしたのは高遠さんの方だった。
一度ガックリと頭を垂れてから、勢い良くスクッと立ち上がる。
そうして私に背を向けながら窓際に寄って行った。
「……ちょっとは気にしろよ」
「え?」
「全然普通の態度とりやがって」
ボソボソと聞き取りにくい声で呟いて、高遠さんは大きく肩で息をした。
「あ、あの……?」
そんな高遠さんがこれまで見たことないくらい新しくて、私の方もどう対処していいかわからなくなる。
高遠さんは一瞬の沈黙の後、グッと顔を天井に向けた。
「気にするなって言うなら、気にしない。あんたの方も平然としてられるくらいだし、慣れてるんだろ?」
やけっぱちのように言い放ったその言葉が、私の神経を軽く逆撫でした。
「慣れてるわけないじゃないですか! 高遠さんと違って、私はモテないし!
自慢じゃないけど、彼氏でも家族でもない異性に抱きしめられた経験なんかありません!」
「俺と違ってって、なんだよ!? 俺だってあんな……!」
お互いに勢いづいて言葉を応酬させながら、再び正面から顔を見合わせた。
先に目を逸らしたのは高遠さんの方だった。
一度ガックリと頭を垂れてから、勢い良くスクッと立ち上がる。
そうして私に背を向けながら窓際に寄って行った。
「……ちょっとは気にしろよ」
「え?」
「全然普通の態度とりやがって」
ボソボソと聞き取りにくい声で呟いて、高遠さんは大きく肩で息をした。
「あ、あの……?」
そんな高遠さんがこれまで見たことないくらい新しくて、私の方もどう対処していいかわからなくなる。
高遠さんは一瞬の沈黙の後、グッと顔を天井に向けた。
「気にするなって言うなら、気にしない。あんたの方も平然としてられるくらいだし、慣れてるんだろ?」
やけっぱちのように言い放ったその言葉が、私の神経を軽く逆撫でした。
「慣れてるわけないじゃないですか! 高遠さんと違って、私はモテないし!
自慢じゃないけど、彼氏でも家族でもない異性に抱きしめられた経験なんかありません!」
「俺と違ってって、なんだよ!? 俺だってあんな……!」
お互いに勢いづいて言葉を応酬させながら、再び正面から顔を見合わせた。