常務サマ。この恋、業務違反です
「高遠さ……」
名前を呼んだ声は、最後まで音を保てずに掻き消された。
「……好きだ」
振り絞るような、掠れた低い声。
聞き返す間もなく、高遠さんが身体を屈めて、その影が私に落ちて来る。
大きく見開いた瞳に、目を細めて接近して来る高遠さんの綺麗な顔が妙にぼやけて映った。
「……!!」
まるで、噛み付くように。
強引に唇が押し当てられた。
信じられないところから、ありえない熱い熱が伝わってくる。
一瞬何が起きているのかわからなかった。
そして次の瞬間、全ての思考回路が燻って停止した。
その分だけ、与えられている感覚が妙にリアルに感じた。
顎を支える手の力と、唇を貪る感触に全神経が集中してしまう。
ドクン、と、鼓動が大きくリズムを乱した。
高遠さんは自分の身体で私の退路を完全に阻んだまま、火が点いたような勢いで、何度も角度を変えて唇を触れ合わせる。
「……っ……」
何もかもが苦しい。
必死に顔を背けて逃れようとした。
それでも私が逃げる方向に先回りをして、高遠さんは唇を重ね直す。
名前を呼んだ声は、最後まで音を保てずに掻き消された。
「……好きだ」
振り絞るような、掠れた低い声。
聞き返す間もなく、高遠さんが身体を屈めて、その影が私に落ちて来る。
大きく見開いた瞳に、目を細めて接近して来る高遠さんの綺麗な顔が妙にぼやけて映った。
「……!!」
まるで、噛み付くように。
強引に唇が押し当てられた。
信じられないところから、ありえない熱い熱が伝わってくる。
一瞬何が起きているのかわからなかった。
そして次の瞬間、全ての思考回路が燻って停止した。
その分だけ、与えられている感覚が妙にリアルに感じた。
顎を支える手の力と、唇を貪る感触に全神経が集中してしまう。
ドクン、と、鼓動が大きくリズムを乱した。
高遠さんは自分の身体で私の退路を完全に阻んだまま、火が点いたような勢いで、何度も角度を変えて唇を触れ合わせる。
「……っ……」
何もかもが苦しい。
必死に顔を背けて逃れようとした。
それでも私が逃げる方向に先回りをして、高遠さんは唇を重ね直す。