常務サマ。この恋、業務違反です
普段の姿があれだけパーフェクトだからこそ、その言葉に普通に流されそうになる。
思わず目を閉じそうになって、私はハッと我に返った。
「だ、ダメです! そんなの、精神衛生上良くないです!」
身体に回された手の動きに意味を感じて身体を強張らせると、慌ててその腕から擦り抜けた。
振り返ると、高遠さんがとても不満そうな瞳で私を見上げている。
そんな瞳についクラッとしながらも、私は高遠さんに背を向けた。
「……なんか……。なんでそんなに余裕なんですか」
この場をしのぐように呟いた一言は、この夜中ずっと心にはびこっていた本音だった。
肩を竦める私に、高遠さんは、ん?と小さく呟く。
目線だけ振り返ると、さっきと同じようにベッドに肘をついて私を斜めの角度で見上げる瞳とぶつかった。
「何言ってるんだ?」
「だって……。昨夜も今も全然照れ臭そうじゃないし。私ばっかり……」
こんなにドキドキしてる。
短くモゴモゴと消え入りそうな声で呟くと、高遠さんはほんのちょっと目を丸くした。
「心外だな……。俺が冷静に機械的にあんたを抱いたとでも思ってるのか」
「そ、そうじゃなくて……」
説明しようにも、頭に過る昨夜の記憶を言葉にするのすら恥ずかしかった。
だってあんなに……。
思い出すと、頬が熱くなる。
私を抱いた高遠さんは、仕事中の姿そのままに力強くてちょっと強引で。
なんて言うか、私の予想とは違う激しさに、ほんのちょっと戸惑って。
それでも夢中にさせられてしまった自分を封印してしまいたい。
思わず目を閉じそうになって、私はハッと我に返った。
「だ、ダメです! そんなの、精神衛生上良くないです!」
身体に回された手の動きに意味を感じて身体を強張らせると、慌ててその腕から擦り抜けた。
振り返ると、高遠さんがとても不満そうな瞳で私を見上げている。
そんな瞳についクラッとしながらも、私は高遠さんに背を向けた。
「……なんか……。なんでそんなに余裕なんですか」
この場をしのぐように呟いた一言は、この夜中ずっと心にはびこっていた本音だった。
肩を竦める私に、高遠さんは、ん?と小さく呟く。
目線だけ振り返ると、さっきと同じようにベッドに肘をついて私を斜めの角度で見上げる瞳とぶつかった。
「何言ってるんだ?」
「だって……。昨夜も今も全然照れ臭そうじゃないし。私ばっかり……」
こんなにドキドキしてる。
短くモゴモゴと消え入りそうな声で呟くと、高遠さんはほんのちょっと目を丸くした。
「心外だな……。俺が冷静に機械的にあんたを抱いたとでも思ってるのか」
「そ、そうじゃなくて……」
説明しようにも、頭に過る昨夜の記憶を言葉にするのすら恥ずかしかった。
だってあんなに……。
思い出すと、頬が熱くなる。
私を抱いた高遠さんは、仕事中の姿そのままに力強くてちょっと強引で。
なんて言うか、私の予想とは違う激しさに、ほんのちょっと戸惑って。
それでも夢中にさせられてしまった自分を封印してしまいたい。