常務サマ。この恋、業務違反です
「あのね。私はそれでも祝福してるわよ。だって、別に私が本気で高遠さんと……なんて夢にも思ってなかったわけだし。
この間一緒に飲んだ時に、高遠さんが葛城さんに好意持ってるのはわかったしね」
「じゃあ、なんでそんな不機嫌なの?」
質問したのは私じゃなくて山田さんだった。
「だって、結構時間経つのに、全然それらしい噂を聞かない!」
力説してドンとテーブルを叩く新庄さんに、私と山田さんは顔を見合わせて目を瞬かせた。
「な、何言ってるの? 当たり前じゃない。むしろそんな噂が立つ方がマズいし……」
言い返した言葉は正論だと思う。
いくら私が『派遣社員』でも、社内での恋愛沙汰は隠すのが鉄則のはず。
私の意識がなんか間違ってる?
助けを求めるように山田さんを見遣ると、山田さんもうんうんと頷いてくれる。
「何言ってるのよ! せっかくのオフィスラブ、せいぜい私達も楽しませて欲しいのに、葛城さんってば、ここんとこずっと私達とランチ一緒だし、相変わらず仕事は定時上がりだし」
頬をぷうっと膨らませる新庄さんに、私も山田さんも呆気に取られた。
「つまり……新庄さんは、二人に公然とラブラブして欲しいんだ?」
山田さんから探るように問い掛けられて大きく頷く新庄さんに、私は口に含んだ水を吹き出しそうになった。
「ちょっ……! なんてこと言うのよっ」
ゴホゴホと堰き込みながら顔を真っ赤にすると、新庄さんは腕組みをしてグッと背筋を伸ばした。
「だってさ。仕事中はずっと傍にいられる美味しいポジションなのに勿体無い。
何考えてるのよ、って言いたい」
「仕事中は仕事のこと考えてますっ」
この間一緒に飲んだ時に、高遠さんが葛城さんに好意持ってるのはわかったしね」
「じゃあ、なんでそんな不機嫌なの?」
質問したのは私じゃなくて山田さんだった。
「だって、結構時間経つのに、全然それらしい噂を聞かない!」
力説してドンとテーブルを叩く新庄さんに、私と山田さんは顔を見合わせて目を瞬かせた。
「な、何言ってるの? 当たり前じゃない。むしろそんな噂が立つ方がマズいし……」
言い返した言葉は正論だと思う。
いくら私が『派遣社員』でも、社内での恋愛沙汰は隠すのが鉄則のはず。
私の意識がなんか間違ってる?
助けを求めるように山田さんを見遣ると、山田さんもうんうんと頷いてくれる。
「何言ってるのよ! せっかくのオフィスラブ、せいぜい私達も楽しませて欲しいのに、葛城さんってば、ここんとこずっと私達とランチ一緒だし、相変わらず仕事は定時上がりだし」
頬をぷうっと膨らませる新庄さんに、私も山田さんも呆気に取られた。
「つまり……新庄さんは、二人に公然とラブラブして欲しいんだ?」
山田さんから探るように問い掛けられて大きく頷く新庄さんに、私は口に含んだ水を吹き出しそうになった。
「ちょっ……! なんてこと言うのよっ」
ゴホゴホと堰き込みながら顔を真っ赤にすると、新庄さんは腕組みをしてグッと背筋を伸ばした。
「だってさ。仕事中はずっと傍にいられる美味しいポジションなのに勿体無い。
何考えてるのよ、って言いたい」
「仕事中は仕事のこと考えてますっ」