常務サマ。この恋、業務違反です
いきなりニッコリと笑う新庄さんに、私は戸惑って顔を上げた。
「ああ、結婚だ!」
ポンと手を打ってシレッと口に出す山田さんに、新庄さんは悪戯っぽく、その通り、と呟く。
私は大きく目を見開いた。
「えっ! ……ちょ、ちょっと……」
「付き合い始めたばっかりなのに……とか言うつもり? 何を悠長なこと言ってるのよ。
ただでさえ忙しい人なんだから、辞令が下りる日なんてあっという間に来るわよ」
「それは……」
確かにその通りだ。
「だからこそ、仕事中だろうがなんだろうが、もっと接近すべきなのに。
なんで当人同士がこんなにのんびりしてるんだろうな、って思ったら、こっちの方が焦って来るよ」
妙に説得力のある言葉に、なるほど、なんて納得してしまう自分がいる。
だからと言って仕事中まで接近なんて、普通に考えて出来っこない。
なんせ航平は仕事の鬼だ。
付き合い始めてからは、むしろ今まで以上に意識してオンオフの区別を付けようとしてるのを感じる。
そして私もそれでいいって思ってる。
だって、仕事中の航平が休日のままの姿になったりしたら……。
ついそんなことを考えて、私はカアッと顔が赤くなるのを感じた。
そして、私の反応を新庄さんは目ざとく見つける。
「……あれ。何かな、その反応」
「え!? 何、って、何!?」
思わず声を裏返して叫ぶ私を見て、山田さんが呆れたように溜め息をついた。
「ああ、結婚だ!」
ポンと手を打ってシレッと口に出す山田さんに、新庄さんは悪戯っぽく、その通り、と呟く。
私は大きく目を見開いた。
「えっ! ……ちょ、ちょっと……」
「付き合い始めたばっかりなのに……とか言うつもり? 何を悠長なこと言ってるのよ。
ただでさえ忙しい人なんだから、辞令が下りる日なんてあっという間に来るわよ」
「それは……」
確かにその通りだ。
「だからこそ、仕事中だろうがなんだろうが、もっと接近すべきなのに。
なんで当人同士がこんなにのんびりしてるんだろうな、って思ったら、こっちの方が焦って来るよ」
妙に説得力のある言葉に、なるほど、なんて納得してしまう自分がいる。
だからと言って仕事中まで接近なんて、普通に考えて出来っこない。
なんせ航平は仕事の鬼だ。
付き合い始めてからは、むしろ今まで以上に意識してオンオフの区別を付けようとしてるのを感じる。
そして私もそれでいいって思ってる。
だって、仕事中の航平が休日のままの姿になったりしたら……。
ついそんなことを考えて、私はカアッと顔が赤くなるのを感じた。
そして、私の反応を新庄さんは目ざとく見つける。
「……あれ。何かな、その反応」
「え!? 何、って、何!?」
思わず声を裏返して叫ぶ私を見て、山田さんが呆れたように溜め息をついた。