常務サマ。この恋、業務違反です
白黒の証明写真で見知っていたけれど、実物ははるかに極上だった……というのが第一印象。
写真より少し長い茶色い髪は、無造作だけど品良く整えられている。
スッとした鼻筋に、キュッと引き締めた薄い唇。
キリッとした眉と切れ長の瞳は凛としていて、真っ直ぐ見つめられたら射抜かれそうだった。
綺麗に整った顔を思いっ切り不審そうに歪めていても、滅多にお目にかかれない『超イケメン』を目の当たりにした私は、動けないどころかまともに声を発することも出来ず、書類を手にしたまま呆然と彼を見つめてしまった。
私のバカみたいに不躾な視線を鬱陶しそうに眉を寄せて、彼は黙って更に執務室に踏み込んで来る。
「誰?って聞いてるんだけど。ここは俺のオフィスだ」
「あ、あの」
動揺する私に鋭い視線を投げながら、高遠さんはズカズカと私との距離を無遠慮に縮めて来る。
「ひっ……」
もう一歩踏み出して来られたら正面衝突する、そんな至近距離に身の危険を感じて、思わず引き攣った声が漏れた。
そして、一瞬凍り付いていた思考が私の中に蘇って来る。
イケメンだけど、これまで何人もの秘書にセクハラを続けて来た最低な男。
実物が本当に極上だったから、そんな意識が私の中でどんどん大きくなって、そして勝手な確信に変わって行く。
「おい、聞こえてるなら名前くらい……」
「きゃ、……きゃああああっ!!」
一向に質問に答えようとしない私に焦れた高遠さんがスッと手を伸ばして来るのとほぼ同時に、私は今までに出したこともない大きな悲鳴を上げていた。
写真より少し長い茶色い髪は、無造作だけど品良く整えられている。
スッとした鼻筋に、キュッと引き締めた薄い唇。
キリッとした眉と切れ長の瞳は凛としていて、真っ直ぐ見つめられたら射抜かれそうだった。
綺麗に整った顔を思いっ切り不審そうに歪めていても、滅多にお目にかかれない『超イケメン』を目の当たりにした私は、動けないどころかまともに声を発することも出来ず、書類を手にしたまま呆然と彼を見つめてしまった。
私のバカみたいに不躾な視線を鬱陶しそうに眉を寄せて、彼は黙って更に執務室に踏み込んで来る。
「誰?って聞いてるんだけど。ここは俺のオフィスだ」
「あ、あの」
動揺する私に鋭い視線を投げながら、高遠さんはズカズカと私との距離を無遠慮に縮めて来る。
「ひっ……」
もう一歩踏み出して来られたら正面衝突する、そんな至近距離に身の危険を感じて、思わず引き攣った声が漏れた。
そして、一瞬凍り付いていた思考が私の中に蘇って来る。
イケメンだけど、これまで何人もの秘書にセクハラを続けて来た最低な男。
実物が本当に極上だったから、そんな意識が私の中でどんどん大きくなって、そして勝手な確信に変わって行く。
「おい、聞こえてるなら名前くらい……」
「きゃ、……きゃああああっ!!」
一向に質問に答えようとしない私に焦れた高遠さんがスッと手を伸ばして来るのとほぼ同時に、私は今までに出したこともない大きな悲鳴を上げていた。