今宵秘密が暴かれる。
ふと頭にある妙案が思い浮かび、
再び上がりそうな口角を我慢する。
「いや、俺は長州の者ではない。
天に誓って嘘はついておらんぞ」
俺は長州の者っつー以前に
どこの藩にも属してない、所謂浪士だ。
「…本当だな?後から長州のモンだと分かったら即殺すからな」
それ……。
「「結局、
今でも後でも変わってない(ですよー)」」
俺がそう言うのと同時に、いつからいたのか、隣から同じようなことを言う怠そうな声が聞こえてきた。
「ありゃ、気があいますねぇ。ってことで土方さーん、そろそろ屯所に戻る時間ですし、
(…ここで詮議とか面倒くさいんで…ボソ…)
一緒に連れて帰りましょうよー」
ボソって…………。
「丸聞こえなんだけど……」
「はあ?…や、しかし…」
…二人揃ってシカトっすか。さみし。
「なあに大丈夫ですよー。僕と土方さんが付いているんですから、逃げればすぐに斬ればいいことじゃないですかぁー」
………抜けてそーな声でなんつーこと言うんだこのヤロー。
「…ハァ、しゃーねェなァ。
おいお前、俺らについてこい。間違っても逃げようとか考えんじゃねェぞ。もし逃げたら俺ァぶった斬るからな」
おいおい。
……2人して物騒なことを。