今宵秘密が暴かれる。
「おい。準備出来たぞ
って…なんで寝てんだよ」
今屯所にいる幹部を集め終わって部屋に戻ってみると、ソイツは気持ち良さ気に窓の縁に首を当てて寝ていた。
“敵地の中で寝る奴がいるのか?”
そんな疑問は一瞬で捨てた。
(俺はコイツを疑い続けなければならねェ。
この新撰組を、
近藤さんを、仲間を守るためにな…)
…にしても。
「よく見ると、コイツ綺麗な顔してんなァ…。
こーいうのを中性的な顔っつーンだろーな…」
あまりの綺麗さに思わず、食い入ったように顔を覗いていると、
「…ッ!…………いッ…!」
急にソイツは飛び起きた。
……だから必然的に顔を覗き込んでいた俺の頭にソイツの頭が激突したわけで。
「いってぇ…。てめぇ何しやがんだ!」
そのジーンとくるその地味な痛さに
思わずソイツを怒鳴った。
…が、よくよく考えてみれば顔を無遠慮に見ていた俺が悪い。
「…え?ど、どうしたんですか?!
土方さん?」
「……………ンでもねェよ」
だから
その件は忘れることにした。