今宵秘密が暴かれる。
「…じゃあどうすれば会えるんだ。
俺が夢から覚めたら消えるのなら、
俺がまた夢を見れば話せるのか?」
そう考えたが、花魁から返ってきた言葉は俺の期待に反するものだった。
「わっちにもそれが………
よくわかりんせんでありんす。
コウ様が“ココ”にいらしてからわっちは幾度も貴方様に会おうとしんした ………」
それは……つまり、
「……でありんすが、ご存知のとおり、今晩まで会うことは出来んせんでありんした。
次、いつ会えるか………もしくは此れから会えないかもしれないという可能性を考えて、今は言うべきことのみ言いんす。」
…………この花魁にも分からない、ということか。…ちっ
「………つーか、言うべきこと、って…?」
……なんだ?
俺がこの花魁から聞かなければいけないこと?
俺が頸を傾げながら尋ねると、今までに増してその花魁とやらは真剣そうな顔を向けた。
「…貴方様の前世でありんす方は………」
(は?なんで俺の……前世?
そんなもん……………)
「わっちと同じ、“ 花魁 ”でありんす」
……………………………。
…………………………………………。
「はあああああああああ!?!?!?
俺の前世が花魁だとおおおお!?!?」
「そうでありんす。
そいで、前世の記憶は
ある条件によって思い出されんす」
「条件…?つか、俺の前世が花魁だなんて、そんな冗談「今言ったことは、冗談ではござりんせん」…………」
「コウ様。わっちが今から言うこと、しかとお聞きくんなまし」
「…………………。」
「………条件を満たせば、その物言い、性格、仕草などみながその者のようになってしまうのでありんすぇ。わっちにもその条件とやらが何かはわかりんせんが……………
……コウ様は何やら隠し事をしていんす様で。
お気をつけありんせんと、その隠し事がばれてしまうかもしりんせん………。
………お気をつけてくんなましえ。
……では時間のようでありんす………」
花魁がそう言ったときには、もう既にその姿は消えかかっていた。
まるで、その存在すら夢の中の夢であるかのように。
「お、おい……っ!」
なんで、俺の隠してること知ってんだ?
とか
もしかして、俺が“ココにいる原因”もお前が関係してんのか?
とか。
まだ沢山聞きたいことはあったのに……。
「あぁ、最後に………。
わっちの名は “ あまつき ”でありんす。
次があれば、花魁じゃのうて名で呼んでくんなまし……………」
…それだけ言うと、その花魁____あまつきは、
まるで幻のように消えていってしまった。
そして____
それとともに俺は朝を迎えた______