今宵秘密が暴かれる。
月明かりに照らされ
ある日の丑の刻_______
既に月は天に昇り、地上は灯りが消え、辺りは月明かりに照らされほんのりと光が漂っていた。
そんな時刻に一人のある者が暗い路地に身体を滑り込ませ、何者からか逃げる体勢をとっていた。
「はぁっはあっ…
くっそ!しつこい奴らだな!」
もうずっと走り続けていたのだろうか。
その者は息絶え絶えに、追っ手の一人が通り過ぎて行くのを見届けると、壁に背を預けて座り込んだ。
(ここなら…
暫く休憩できそうだ…)
ふぅ、とその者がひと息吐いたのも束の間__