アイツとあたしと浮気と彼氏
『綾、ひどいっ。』

『ごめぇん。だって雫ちゃん、透くんと付き合い始めの頃はいろんなコト話してくれたけど最近は全然ないんだもん。』

『うん…。だって話すことないんだもん。土日に会っても透がゲームするの見てるだけだし、どっか出かけるって言ってもゲームや雑誌買いに行くのついていくだけだし。』

『雫ちゃんさぁ、行きたいトコ連れてってもらえばいいじゃない!』

『付き合い始めの頃はいろんなここ行ったよ。でも、だんだんめんどくさいって言われるようになっちゃって…』

『もともと幼なじみって言うのが問題じゃない?付き合ってても友達の時と変わんない感じするし、やっぱ別れたほうがいいかもね!』

『知ってる、だから別れ話してんでしょ。』

軽く口を尖らせて続けた。

『だいたいあん時、卒業シーズンだから告白しよう的な妙な空気クラスに充満させたのあんたじゃん!!』

『えぇーだって皆とお別れだったしぃ中学の記念?思い出になるじゃない。それに女の子はそーゆーの好きでしょ。現に上手くいったコいっぱいいたし。雫ちゃん、だってぇその一人じゃん!』

『そーだけど。ってか、綾だって彼氏出来てたよね、確か。』

『あぁ、彼はぁ、高校入ってすぐ別れたよん。』

『早っ、何でよ?』

『えー、だってやっぱ高校に入っていろんな出会い無駄にしたくないし。ね。』
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