アイツとあたしと浮気と彼氏
保健室から下痢の薬を貰って、二人で玄関を出た。


あたしはチャリ通。


渡辺くんもチャリ通らしい。


校門までチャリを引いてやっぱり無言で歩いた。


『じゃあ、あたしこっちたがから。』


『送るよ!』


あたしの言葉は遮られた。


『えっ、何で?』


『そんな、あからさまにイヤな顔されるとちょっと傷つくんだけど。』


『ゴメン。そーゆー訳じゃないけど。』


だってあたし下痢で具合い悪いだけなんだけど。


それでも彼は優しく微笑みながら言った。


『オレ、一応男だし。今井さんが具合が悪そうだったから…かな。』


『ふーん…。』


断るのもなんか悪いよね…。


あたし達は自転車を引いて歩いた。


乗った方が早いんだけどな。なんか、変なの。


相変わらず沈黙だし。…なんか気まずいな。

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