アイツとあたしと浮気と彼氏
『今井さんて、かわいいね。』


クスクスッ


ボッっとあたしの顔がさらに赤くなってるのがわかった。


ドキドキ…


なんなの、からかうのもいーかげんにしてよ。


『もーう、変なコト言わないでよ!』


照れを隠すようにあたしは彼から顔を背けた。


『ごめんごめん。でも冗談じゃなくてホントにそう思ったんだよ。』

うわー何言ってんだよぉ。


ドキドキドキドキ


ヤバい、彼氏でもないヤツにドキドキしてる。でも、あんな変なコト言うから悪いんだ。


うん、こんなこと言われれば好きじゃなくてもドキドキするはず。

『ごめん、ごめん。ゴメンね。』


渡辺くんが終わりの優しく微笑んだ。


『それより、どこ行きたい?どこか行きたいとこある?』


『…。』


デートってどこ行くんだっけ?普通のデートあんまりしたことないからなぁ。う~ん…


『あ、映画!映画見たい!』


『見たい映画とかある?』


『えっ、…ないけど。デートって映画かなぁって思って。』


『クスクス、うん、わかった。』


何で笑うんだよ。ふんっ。


『じゃあ、何見ようか。うーん、ネットで調べてもいいけど、どうせなら映画館で一緒に見るの決めよっか?その方が楽しいし』


『うん…。』


あたし、どうしたらいいか全然わかんないや。

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