アイツとあたしと浮気と彼氏
無事に5限も終わり着替えも済んで綾とのんびりジュースを飲んでいた。


きょうは5限で終わりだからダラダラと教室へ向かっていた。


いきなり綾が声をあげた。


『ゆーたーかー！』


かなり遠くに同じ中学の豊らしき男子の姿が見える。


一人…だよね。渡辺くんいないよね。ちょっとホッとした。


綾の声に気づいて豊が走ってこっちに向かってくる。


『よぉ。お前ら体育終わりか？』


『うん。豊はもう帰んの？』


綾が答えた。


『あぁ。』


豊かこっちを見てきた。


『なぁ今井、あれから透とどうなった？』


『ん、まだどうにもなってないよ。』


『聞いて～豊。透ってば雫ちゃんに浮気しろって言ってきたんだって。信じらんないでしょお！』


綾～、そんなに親切に説明しなくてもいーのに…。


『…ふーん。』


豊がチラッとこっちを見て全て理解したかのように軽く頷いて言った。


『それでか。』


うぅ、やっぱりコイツ知ってるんだ。渡辺くんと仲良さそうだったもんね。


『何が？』


綾が言った。


…まぁこの会話じゃ当然の流れなんだけど…。


そこへ渡辺くんが突然現れた。


何で居るの？ってか、いつの間に来たんだろう。


『置いてくなよ。豊。』


続けて私に微笑んだ。


『今井さん久しぶり。』


『あ、はぃ。』


あぁ何だこの返事。変じゃん。緊張してんのバレバレじゃん。
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