アイツとあたしと浮気と彼氏
どぉしたの?雫ちゃん。何か変だよ。』


知ってるし。


『何でもないよ。』


『ふーん。なら、いーけど。』


何か言いたそうなのはわかってるよ。


『オレ帰るわ、じゃーな。』


豊があたしたちに手を振って言った。


『うん、じゃーねー豊またね。』


綾が手を振り返した。


『おい。待てって、豊。じゃあ。今井さん』


豊を追って渡辺くんが玄関へ向かっていった。


私は軽くうなずいた。


『さ、うちらもさっさと帰ろう、綾。』


『いーけどぉ。ねぇ雫ちゃん。豊の隣にいた人、知り合い?好きなの?』


来るよね~やっば。


『そーゆうんじゃないよ。中学の時に通ってた塾が一緒だったってだけだよ。実際よく知らないし。』


『そーなんだぁ。でも、向こうは雫ちゃんに興味あったみたいだけど?』


『そかな?とにかく教室戻ろう。』


その後帰宅まで綾の激しい質問攻撃は続いたけど、とりあえず今んところは黙っておくことにした。


(小)悪魔的直感でなにかしら勘づいているだろうけど。

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