アイツとあたしと浮気と彼氏
翌日、親友の綾に散々愚痴りながらコーヒ

ーを飲んでいた。

『アイツあたしにも浮気しろって言ったのよ。それであいこだろって。何考えてんのかわかんないわ。』

『すごいコト考えるね。透くん、でもそれって彼氏の言うセリフじゃあないよぉ。雫ちゃん、本当に愛されてたのぉ?』


相変わらず可愛い顔してキツイこと言う。


『知らない。こっちが聞きたいよ。浮気するようなヤツなんて信用出来ないから別れようって言ってんのに。』

『う~ん、やっぱり雫ちゃんには合わなかったんじゃなぁい?高校が別ってだけでハードル高いし。皆言ってたじゃない、雫ちゃんに透くんは合わないって。』

『うん。そーだけど。』


確かに当時、皆に言われた。

でも、あれはあれで卒業シーズンマジック

って言うか。

そんな気になっちゃったんだもん。

一応、反対意見を言ってみる。


『でも…さ、小学校ん時だったけど、透の家に行ってすっごい上手にゲームクリアしていくの見てて、なんかカッコ良く見えたんだよね。私には出来ないことだったし。まぁ子供ん時のことだけどさ。』

『ふ~ん、でも小学校頃って恋に恋してるって言うかぁ、少女マンガに憧れてる的な感じなんじゃないのかなぁ。この人に恋してる自分がかわいい~みたいなさ。実は好きじゃなかったりしてね。ほら、やたら足が速いだけでモテる男子とかそんな感じじゃない?』
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