ジェノサイドの哀歌
ーとある屋上の物語1ー
炎天下の中、青年は何かにしがみつくように学校へと走る。

途中、水溜まりを踏んで制服が濡れたが、そんな事どっちだっていい。そんなことより、会いに行かなきゃ。会って、話をするんだ。

ーそして木々や民家の隙間から学校が見えた。そして屋上には、太陽でシルエットしか見えないが俺には分かった。そのシルエットは、朦朧として下を見ている。ふと見れば、もう俺は学校にたどり着いた。校舎の階段を一段飛ばしで駆け上る。俺は屋上のドアを飛ばすように開け、シルエットまで走った。するとシルエットは振り向き、言った。

「すぐ戻るから、待っててね」

それだけを残してシルエットは

ー嗤って、校舎から飛び降りた。


意識が朦朧としている。こんな炎天下のせいか…いや違う。あいつは俺の目の前で消えた。戻ってくる?バカか、俺はバカか。

ー後方にセミロングの少女(俺と同じくらい)が後ろ向きで立っている。

後ろに誰かいる。強い殺気を放っているのか。脳が眩む。これはまずい。頭がもやもやしてる。やっぱこのまま俺も……
俺はその場に倒れこんだ。かすかな視界から少女が見える。

ーそして少女は振り向き、言った。

「……ゲームオーバー」

どうして……どうしてこんなことになった!?


ーそれは昨日に遡る

いつも通りだった夏の日は今日より、崩れはじめた。

強い夏の陽射しが俺、小南純夜(こなみ しゅんや)の体内をサウナにする。
「あぢぃ、あづすぎる…」
なんだこの暑さは。地球ってこんなんだったか!?太陽の恵み受け過ぎだろ!
「これだから夏はいy…って痛!」
「おっはよー!純夜!」
「いやおっはよー、じゃねーよ!いてーよこんな朝から。」
「あーごめんごめん(笑)。いやぁそれにしても暑いねー今日は。ホント体がサウナになるかと思ったよ。」
俺と同じこと考えてじゃねーよ。なんだよ予知能力持ってんの!?あいつ
あいつとは、夏風瑠菜(なつかぜ るな)。俺の幼馴染みだ。「ほら!早く行かないと遅刻しちゃうよ!」
ああ、そうだ。ヤバいぼーっとしてたわ。こういう性格の奴が熱中症かかるんだな。常々思うよ。
気がつくともう学校が見えていた。
ーふと、俺は屋上に何かを感じた。強い殺気を。次の瞬間、俺を物凄い耳鳴りが襲った。なんだ今のは。なんか俺今日調子悪りぃーんかな。
そして学校へと急ぎかけた。が、視界し飛び込んできたのは……瑠菜の倒れた姿だった。
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