◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「お前、失礼な奴だな。ガキのくせに」
「ガキ!?私はもう高校生です!」
ガキ扱いしないでよね!!
チャラ男、最低男のくせに!!
すると、男は少し悲しげに私を見つめた。
「俺からしたら、まだガキだな………」
「あ…………」
何だろう、この顔…………。
なんで、そんな悲しそうな顔をするんだろう。
それに、さっきから記憶に引っ掛かる。この顔を見た事があるような……既視感。
初めて会うはずなのに、どうして………
「ま、助かったわ。サンキューな」
ガシガシと私の頭を撫でるチャラ男に、私はそっと手を伸ばした。
「…………あ?」
その頬に手を伸ばした。
「泣かな……いで………」
泣かないで。
今度は触れられた。
「お前、いったいどうし………!!?」
「あ………れ?」
ーグワンッ
視界が、世界が歪んで見えた。
それは、私だけじゃないようで、チャラ男も驚いているのが見える。
『見つけて……私を……見つけて…』
あ………れ、この声は………
『私を、壊して………』
夢の………あの子の声だ………
あぁ、意識が遠退く……もう、起きてられない。
夕暮れに染まる世界を最後に、私は意識を手放した。