◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~


ーフワッ


「あ………えぇっ!?」


そこには、燃えるように紅く長い髪と、煌めくような金の瞳が私を見つめていた。


白いドレスが、私の動きに合わせて靡く。


私の動きに合わせて…………???


「嘘、これって私じゃん!!」


髪の色が違うせいか、それとも瞳の色が違うせいか、私の動きに合わせて動く鏡の少女は、私そのものだった。



『…………て……』


鏡を見ていると、鏡の向こうから声が聞こえてきた。


「えっ、何っ………?」


急に怖くなり、私は鏡から距離をとる。


なに??この鏡の中から声がっ……!!


『私を見つけて………』

「見つけ……る?」


見つけるって、私が!?
ど、どうやって!?


『私を………壊して………』

「な、何言ってるの??壊してって……」



そんな、人殺しとかそういうのはちょっと………
というか、何で??



『暁で、私を照らして。この、終わらない夢を………』


なんて、悲しそうな声なんだろう…………
それに、苦しそう………


『お願い…………』


すると、鏡が瞬き、そこに、黒い翼をもった、闇のように深い漆黒の髪と瞳の少女が映った。


少女は口を動かす。


『あなたこそ………イルヴァーナの……破壊者…。私を……永遠に、眠らせ……て』


少女は涙を流す。













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