◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「おいおい、嘘だろ……俺には聞こえねぇよ。それも、暁の姫の力なのか…?」
ルークは驚いたように私を見つめる。
「なんか、助けてって言ってる……みたい?」
何を、かは分からないけど。
というか、もっと具体的に言ってほしいというか…
「みたい、かよ!!」
「だって、途切れててうまく、聞こえな………」
ーボコボコボコ……
げっ!近づいて来てるし!!
っていうか、何でだろう、目なんかないはずなのに、見つめられてるような……
『私ガ…弱イカラ………』
「弱い………?」
『死ニタイ……モウ、アノ場所ニハ居タクナイ…』
なんだろ、よく分からないけど………
弱いから、誰にも助けてもらえなくて、死にたいほど辛いことがあって、今の場所にはいたくないってこと??
「おい、また何か聞こえるのかよ?」
「うん………でも、やっぱり聞こえずらい……」
途切れ途切れで、詳しい事なんて、何一つ分からないけど…
「その……私、あなたは強いと思うんだけどっ!」
『……………………』
私の言葉に、幻魔は動きを止めた。
その場に佇み、私の言葉を待っているかのように思えた。
「幻魔が、止まった………?本当に、言葉が分かんのか??」
ルークも驚いたように私と幻魔を交互に見つめる。