◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「幻魔が……お前、本当に何者だよ」
「さ、さぁ……?」
それは私が聞きたい。
一日に色んな事がありすぎて、頭はすでにパンク状態。
それに………さっきから、体が怠い。
ルークの方が怪我してるのに、倒れるわけにもいかないし…
「おい」
「な、何??」
ルークはズカズカと私に歩みより、私に手を伸ばす。
そして………
「わわっ!!」
ルークは、私を軽々と抱き上げ、そのまま歩き出した。
「重いな、寝てばっかいたからだろ」
「なっ……女の子に向かってなんて事を!!」
なんて失礼な奴……じゃなかった!!
ルーク、怪我してたんだった!!
「ルーク、それ以上無理したらっ……」
出血多量でお陀仏だよー!!
なのに、私なんか抱えて歩いたらっ……
「これぐらいで喚くな。いいから、寝てろ、ガキ」
「あ、あのねぇ……」
なんて、強情。
絶対言うこと聞いてくれなそう。
「もう、何で急に……………」
もしかして、私が辛そうにしてたのに気づいた…とか??
でも、まさか……ね。
でも、突然こんな事するくらいだし……
私はそっとルークを見上げる。
ルークはその視線に気づき、意地悪な笑みを浮かべる。