◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「俺に見惚れたか?」
「………………はい!?」
あまりにも、自意識過剰な発言に、私は一瞬耳を疑った。
「まぁ、顔は良いからな。ただ、ガキには興味ねぇんだ、残念だったな」
「は………はは」
から笑いですよ。
何の言葉も出ないとはこの事ですか!!確かに顔はいいけど、性格が残念だから!!
「何か言いたそうだな」
「じゃあ、言わせてもらいますけど、私は誠実な人がいいので、ルークみたいにチャラい男は論外!」
「………それでも良いって女は沸くほどいるけどな」
沸く………なんて、言いぐさ。
せめて、集まってくるとか、沢山いるって言ってよ!
「白馬の王子様なんて幻想だぞ、ガキ」
「私、何も言ってないよね?」
ルークを睨み付けると、ルークは小さく吹き出した。
「くくっ……早く寝ろ、お子様」
「はいはい、じゃあ寝ますからね!」
私は子供っぽくルークの胸に顔を埋めて目を瞑る。
するとすぐに、眠気が襲ってきた。
次に目が覚めたら、私はどこにいるんだろう。
夢から覚めて、あの現実に帰るのかな……
でも………
「ルー……ク…」
「あぁ?」
夢であったこの人が、現実にいないのは、ちょっぴり寂しいや……
目覚めた時に、自分は誰なのか、どこにいるのかと不安を残して、私は意識を手放した。