◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「お前、分かってんのか?お前は狙われてんだぞ」
「あ………」
そういえば、そうだった。
なんて、のんきすぎるよね、私。
「今気づいた、みたいな顔してんな。はぁ、先が思いやられる」
ルークは後頭部をガシガシと掻き、私に黒いマントのようなものを渡す。
「これは??」
それを受け取り、首を傾げる。
なんか、魔法使いになれそう(笑)
「お前の髪と服は目立つからな、フード被って、服はそれに着替えろ」
黒いマント以外にも、足元には黒いワンピースとブーツが置いてある。
「とにかく、黒いね」
お葬式みたいなんだけど…………
つい、苦笑いを浮かべてしまう。
「それくらいでいいんだよ、目ばっかりは隠せねぇから、異国から来たとでも言っとけ」
「うん、分かった」
でも、これからどうしたらいいんだろう……
どこへ行けばいいのか、何をしたらいいのかも分からない。
「ルーク、私は何をすれば……」
「あ?知らねぇよ、そんなもん」
え、えええ!!?
私を連れて逃げたんだから、なんか知ってるのかと思ったけど……思い違い!!?