◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
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ージリリリリッ
「ん……ううっ………?」
目覚ましの音に眉を寄せながら、私は目を覚ます。
手探りで目覚ましを止め、体を起こした。
「やっぱり、夢………?」
でも、それにしては現実的というか……
それに、頬がやけにスースーするというか………
そう思い、確かめるように頬に手を伸ばすと、涙で濡れていた。
「なんだったんだろう………」
本当に不思議な夢だなぁ………
「雫ー?早く起きなさい!学校でしょう?」
すると、リビングからお母さんが私を呼んだ。
やばい、早くいかないと機嫌悪くなるんだよね。
「起きてるよー!今行く!!」
そう返事して、私は高校の制服に袖を通した。
そして、鏡の前に立つ。
あの子、どうしてるかな………
夢とはいえ、あれは現実のようにリアルだったし……
「あー、だめだ!夢の事ばかり思い出しちゃう!」
学校だ、学校!!
私は頭から追い出すように首を横に振り、リビングへと向かった。