◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「俺は、声に従っただけだ。お前といれば、その主に辿り着けるような気がしたからな」
「声………?」
声…………
それには、私にも心当たりがあった。
「私を見つけて」
「!!お前、どこでそれを………」
私の言葉に、ルークは珍しく驚きの声を上げた。
ルークと過ごした時間なんて出会ってからほんの少しだけど、この人は、ちょっとした事では動揺しない気がする。
なのに、こんなに感情を表すなんて………
ルークにとっては、大切な事なのかもしれない。
「私をここにつれてきたのは、たぶんあの子……」
『私を見つけて』、そう呼ぶ声に導かれて、私はこの世界に来たんだから。でも、あれが誰なのか、どこにいるのかも検討がつかない。
「連れてきた?お前はここで百年眠ってたんだ、目覚めたの、間違いだろ?」
「うーん………」
それなんだよね。
どういう事なんだろ、私がここで百年も眠ってたなんて…
分からない事だらけだ。
この世界の事も、暁の姫の事、そして………あの声の事も。
でも、ここは私のいた現実とは違う世界なんだったって事は分かる。
無意識に両手を握り締め、俯いていると、ポンッと頭に手が乗せられた。見上げると、そっぽを向いたまま、ルークが私の頭に手を乗せている。