◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「分かんねぇ事を考えてもしょうがねぇよ。とりあえず、ここから出るぞ。一ヶ所に留まるのは得策じゃねぇからな」
「ルーク………」
まさか、慰めてくれたのかな??
ガキとか、私の事馬鹿にしてくるけど、本当は優しい……
「ガキの頭で考えられる事なんて、たかが知れてる」
「やっぱり最低!!」
前言撤回!!
やっぱり、やっぱり優しくなんてない!!
最低最悪男じゃん!!
むくれる私は、せめてもの抵抗に枕をルークに投げつけた。それも、軽々とかわしてしまうのだから、なおムカつく。
「さっさとそれに着替えろよ」
ルークは私のもつマントに目を向ける。
「じゃあ、出てってよ!!」
「は?なんでだよ、面倒くせぇし」
あくびをしながら気だるそうに返事するルークに、腹が立つ。
この人、本気で言ってるの??
だとしたら、許せない!!
「乙女の着替え見るなんて、最低!!」
「乙女…………お前が?」
半目で私を見るルークは、おそらく私を女ではなくてわーわーと喚くガキとでも思ってるんだろう。
でも、私だってもう16なんだよ!!?
そら、胸はまだ発展途中だから小さいし、モデルみたいに可愛くも、細くもないけど!!
あんまりにも酷いと思う。