◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
「すっごく、おもしろかったね、ルーク!!」
私は興奮冷めやらぬ勢いでルークの袖を引っ張る。
「そうかよ。そらぁ、呑気なことで」
はたまた呆れるルークに私はむくれた。
「面白いものは面白い、素直に笑わないと、今に顔が凝り固まるんだからね!」
それはもう仮面のように!!それに、楽しんだもの勝ちでしょ?素直に楽しまなきゃ損だよ。
「お前は緩みきってるけどな」
ニヤリと笑うルークに、私はついにキレた。
「ふん!!一言多いやつ!!」
私はズカズカと大股で歩いていく。
「おい、あんまり離れ………」
「うるさい!ルークの馬鹿!!」
私は怒りにルークを振り返ることなくただ進む。そして、気づいた。
あ……れ………?ルーク………?
私を呼び止めるルークの声が聞こえない。慌てて振り返るが、そこにルークの姿は無かった。
「嘘…………」
ルークとはぐれちゃった……?
ここは、私の知っている世界じゃない。ましてや、私は世界の終わりで、誰もが疎んでいる。
そんなところで、一人になんてなったら……