◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~



「怖いわねー……」


リビングに降りると、キッチンからテレビを見ていたお母さんが呟いた。


「どうかしたの??」

「自殺未遂だって、OLだったかしら。イジメが、原因でビルから飛び降りたらしいのよ……」

「ええっ!?その人大丈夫だったの??」


嫌だなぁ………
朝からそういうニュースばっかり。


「意識不明の重体らしいわよ」


「そんな………」


イジメで、沢山傷ついたはずなのに、そんな人達の為に死のうとしちゃうなんて………



そういえば、最近眠りから覚醒出来なくなって、眠り続けてしまう病気が多発してるんだっけ。


「なんか、悲しいニュースばかりね。ほら、夢深病(むしんびょう)だっけ?」


夢深病………最近ニュースで良く聞く病気だ。
治療法もまだ見つかってないとか。


「まぁ、雫は大丈夫だろう。元気だけが取り柄だしな!」


すると、後ろからお父さんが私の頭を撫でた。



「お父さん!それって、どういう意味???」


お父さんを睨むと、お父さんはそそくさとテーブルへと逃げていった。


















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