◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~



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学校へ着き、着席すると、友達の三崎 梓(みさき あずさ)が私に駆け寄ってくる。


「雫ー!!聞いて、大ニュースだよ!!」


茶髪のショートカットの梓は、ガッツリメイクで大きくなった目で私を見つめる。


「なんだい、ギャル」


睫毛、相変わらずすごいなぁー(笑)
というか、私がしなさすぎなだけ???



ノーメイク、すっぴんの私は、今時の高校生にしては地味なのかも。



「ギャルじゃないから!!雫はすっぴんでも可愛いからいいけど、私には仮面が必要なの!」


仮面って、言っちゃってるじゃん!
認めちゃっていいわけ!?


「それより!!」


そんな、事を考えていると、梓は私の机に身を乗り出す。


「一樹先輩、入院してるでしょ!」

「うん?一樹先輩………あぁ、あのバスケ部の?」


バスケ部の田村 一樹先輩、高校3年生。

確か、バスケ部エースで、超イケメン←梓情報だけど、この鳴門南高校(なるとみなみ)では、ちょっとしたアイドルなのだ。


「怪我して、入院してたんでしょ?」


バスケで、足を怪我して入院してたって、これも梓情報だけど。梓は一樹先輩のファンだからなぁ。


「それが、本当に酷い怪我だったんだって。もうバスケできないとか………」


「えぇ、そんな酷かったの??」

「うん。しかも、ずっと入院したままだし、これは噂だけど………夢深病かもって」


夢深病………まさか、ね。
こんな身近に夢深病になった人がいるなんて………


なんか、他人事とは思えない。












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