◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~
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学校が終わり、帰り道。
梓にカラオケに誘われたけど、今日はなんだか行く気にならなかった。
「日が沈むなぁ………」
私は、どちらかというと明け方のあのほの暗さが好き。これから、何かが始まるような感じがして、うきうきするし。
夕暮れは、何か寂しいもんね。
「どーも、美咲。助かったわ」
一人で歩いていると、目の前で車に乗った美人な女の人にキスをする茶髪のチャラそうなイケメンがいた。
クセのある茶髪に揃いの瞳。
耳にある、赤いピアスが印象的だった。
うわぁ、チャラい。
カッコいいのに、勿体ないかも。
その、横を通りすぎようとして、前から走ってきた女の人とぶつかる。
「邪魔よ!!」
「わわっ!!」
ぶつかられ、体勢を崩してしまい、その場に尻餅をつく。
ぶつかってきたのはそっちなのに!!
もう、そんなに、急いでどこにいくんだ………って!!!
「恭矢、その女誰よ!!」
「んあ?あー……めんどくさ」
明らかに男は面倒そうな顔をする。
「あんたこそ誰よ!!ブス!!」
今度は車に乗っている女の人が走ってきた女の人を、睨み付ける。
えぇ、修羅場!!?
こういう、時は、そそくさと逃げよー………
私はスカートの砂ぼこりを叩いて、その場を立ち去ろうとする。その時、チャラ男と目が合った。
いや、合ってしまった。