にじいろ。



それでも少年は
その電車の入口まで追いかけてきた。


窓越しに見える彼の顔。


下りたいという気持ちや
今にも身体が動きそうになるのを必死に抑え、
少女は首に巻いていたマフラーで
わざと自分の顔を隠した。


彼を見ていると、
こらえきれなくなる。


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