にじいろ。



「え……」


彼の口から無意識に出た、そのフレーズ。


「何で……何でその言葉……」


彼女は驚きを隠せずにいた。


「何で覚えてるの……?」


「知るか。そりゃこっちの台詞だばーか」


無駄に乱暴な口調で言い返すのは
今の自分の顔を見られるのが恥ずかしかったから。


まあ、そんなことは
死んでも絶対言ってやらないが。


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