にじいろ。



ふわり、と何かが僕を包み込んだ。


その感覚が
風によるものではないということは
わかっていた。


僕の視界のぎりぎりのところで
サラサラとした綺麗な茶色の髪が
揺れているのが見えた。


それと同時に
僕の頬に何かが接触している感じもあった。


首のあたりは
何か肌触りのいいものに覆われているような
温かさも感じて
僕は今誰かに抱きつかれているのだとわかった。


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