にじいろ。
少女はそれでも心配だった。
見た感じによると
少年は頬や腕に絆創膏らしきテープを貼っており
さらに右目は眼帯で隠されていた。
少年のそんな姿は
普段から怪我をしている印象を少女に与えた。
気のせいかもしれないが
なんとなく懐かしさも感じた。
「本当に大丈夫なんですか?」
彼に平気だと言われても
そうは見えなかった少女は繰り返し聞く。
「身体中、絆創膏だらけですけど……」
「いつものことだよ」
答える少年は笑顔を崩さない。
「じゃあ、右目も……?」