にじいろ。
このことを質問してもよかったのかは
わからないが
少女は突然現れたこの少年が気になって
仕方がなかった。
すると少年は
「右目はないんだ」
苦笑いをした。
「練習中にミスってさ、それで
右目を失くしちゃったんだよね」
「練習って……」
「魔法だよ」
この世界に魔法が存在していることは
少女も知っていた。
だが使えるものなんて1つもないし
魔法の知識はゼロである。
少年は簡単に言っているが
きっとかなり過酷な魔法の練習を
していたのだろう。
少女には
想像もつかないほどのことを。
そうでなければ
瞳を失うなんてほぼありえない。