にじいろ。
箱入り娘なんていう生易しいものではない。
もはや監禁状態。
彼女ももう16歳。
いつまでも子供ではない。
自分が家族に大切にされているとはいえ
いくら何でもさすがにやりすぎだと
感じるようになってきていた。
「いっそのこと、家出しようかな……
なんて考えてみたりもするわけですよ」
それは完全に家庭に対する
少女の愚痴であり、本音でもあった。
そのことを察した少年は
真剣に彼女の話に耳を傾けていた。
透き通った深いブルーの瞳。
彼女はそれが嬉しかった。
「外の世界、俺が見せてあげようか」