so sweet!!!
 俺は透の方に近づく。



 すると、隣にいた千代子ちゃんがへなへなと座り込んだ。



「千代子ちゃん!」



 俺は千代子ちゃんに駆け寄る。



 千代子ちゃんの目にはうっすらと涙が溜まっていた。



「ごめんね…」



 千代子ちゃんが小さく謝る。



「なんで謝るの?」



「助けてもらっちゃった…から」



「なら、ありがとうって、言ってよ」



「…ありがとう」



 千代子ちゃんはにこりと微笑む。



「何されるかわかんなくって怖かった…」



 千代子ちゃんはかすれ気味の声で言った。



 たまった涙が今にも頬につたいそうだ。



「おい!透、テメエ、許さねえって言ったよな?」



「わりい、やりすぎた。



…泣かせると思わなかった」



 透は目を合わさず下を向いている。
< 29 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop